5. 日 常 生 活 に 関 す る も の
私達が生活しているうえで、身近なところに天気を予想するカギがあるものです。今までにあげた気象現象・動植物もその一つですが、
もっと身近なものをとりあげてみます。日常生活から生まれた諺をみるとわかりますが、すべて湿度に関したもので、雨・晴れの予想をしています。
これらの諺は大気状態がそのまま目の前に写し変えられたようなもので、理論的説明もなされ、その信頼度も高いといえるようです。
『飯粒が茶椀につけば晴れ、きれいにとれれば雨』
私達の日常生活で一番目につく現象です。あたたかい御飯粒が茶椀につくのは、御飯粒がかわいてとれにくくなるわけです。
これは空気が乾燥しているためで、高気圧の圏内にはいっている証拠となり晴れます。また逆に、御飯粒がすぐとれるときは、低気圧の圏内、
また接近を示しているわけで、雨が近い証拠となります。
『塩が水をすえば雨』
塩は潮解性(水分を吸収して、しめる性質)があるため、湿度が高いときには空気中の水分を吸収してしめっぽくなります。
したがって塩がしめっているとき、言い換えれば空気中の湿度が高いときは、低気圧の接近、または圏内を示しており雨の予測ができます。
これとは逆に『塩の堅きはお天気つづき』は、空気が乾燥している証拠で高気圧圏内を示しており、晴れる証拠となります。
『炭火のよくおこるは晴れ』
塩と同様に炭も吸湿性が強いため、湿度の高いときには火がつきにくく、空気が乾燥し炭も乾燥しているときは火のつきがいいわけです。
したがって、塩の場合と同じように解釈することができます。ただ注意しなければならないことは、炭も塩も乾燥状態が数日続いたために堅くなり、
火がっきやすくなったわけで、今まで晴天が続いた証拠です。今後もこのような晴天が必ずしも続くとは言えないわけですが、
発達した強力な高気圧の圏内の場合は、今後もしばらくは晴天が続くとみることができます。
『雨戸があきにくいと雨、楽にあくと晴れ』
塩、炭ほどではありませんが、木も吸湿性の強いほうです。空気中の湿度が高いときは、雨戸の木が水分を吸収してわずかに伸びており、
反対に乾燥しているときは、木の水分が蒸発してわずがに縮んでいます。したがって雨戸が伸びているときはあきにくく、
乾燥して縮んでいるときは楽にあくわけです。この場合も乾燥して縮んでいるのは、今までが晴天だった証拠になるわけで、
今後の天気については注意が必要です。
◎その他 『かつお節を削るとき柔かければ雨』
『たばこがかわくと天気がよい』