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大野地球科学研究会は化石やお天気または星が好きな仲間が造った同好会です。

SINCE:  2001年1月1日

UPDATE: 2016年10月8日


1. 光 ・ 音 に 関 す る も の

 ここでは、夕焼けや虹に関するもの、また音に関するものを中心に集めてみます。 特に光に関する気象現象は夕焼けなどのようによく目につく現象で、比較的わかりやすく、利用しやすいものがあるようです。

『夕焼けは晴れ、朝焼けは雨』
 この諺は最もよく使われているようです。日の出、日の入りのときには、太陽光線はより長い空気の層を通ることになります。 このため、空気の分子や塵のために短い波長の光(青い光)が散乱され、主に長い波長の光(赤い光)だけが空気層を通ってきて、 目に入り赤く見えます。このようなわけで、夕焼けが見られる時は、西の空が晴れている証拠で、その翌日も晴れることが予測できます。 この場合は黄色味を帯びた夕焼けについてで、黒味を帯びている時は西の空に雲が多い場合で、むしろ天気は悪くなります。 反対に、朝焼けが見られる時は、澄んだ空気の層が東に去ったとみることができ、今後天気が悪くなることが予測できます。

『日がさ・月がさが出ると雨』
 一般に絹層雲(巻層雲)に月や太陽の光が当たると、雲の中の氷晶によって屈折され、光源のまわりに光の輪ができます。 これか日がさ・月がさと言われるものです。また、この絹層雲は低気圧の前面に現われるのか普通で絹層雲が見られることは 低気圧の接近を示しています。即ち、低気圧の接近に伴って、次第に天気かくずれてくることを示しています。 この諺の確率はかなり高いようで、かさが見られた翌日に雨の降る確率は60〜80%くらいです。 この諺は世界各地でも古くからよく言われています。
    When the moon or sun is in the house,
    There is rain without.

『朝虹は雨、夕虹は晴れ』
 虹は、空気中にある雨滴に日光が当った場合、その光線は雨滴で屈折、反射されて、スペクトルに分解されます。 そして、色の光の帯となって目に見えるものです。ここで、朝、虹が見られるのは西の空で、西の空に雨滴がある証拠で、 湿気を含んだ空気が東に移動してくることを示しています。したがって、天気はくずれてきます。夕方、東の空に虹が見られるのは、 湿気を合んだ空気が東に去ったしるしとなり、天気は回復してくると予測できます。西洋にも同じような諺が見られます。
    Rainbow at night, Travelers'delight:
    Rainbow in the morning, Travelers take warning.

『星がチラチラすると雨』
 星がまたたくようにチラチラと見えるのは、大気が不安定な証拠といえます。高気圧におおわれれば、 大気は安定していて星もよく見えますが、大気が不安定になってくると、対流が激しくなり星がチラチラと光って見えるようになります。 大気の不安定は、普通低気圧の接近によって起こるため、天気がくずれてくることを示していると言えます。 しかし、大気の不安定は低気圧の接近によってのみ起こるものでもないので、全面的に当るとは言えないようです。 同じように星を使ったもので、『星の光揺ぐは風の兆』というのもあります。

『遠方の鐘の音や汽笛の音がよく聞こえると雨』
 音波の速さは、空気の絶対温度(T=t+273 ;tはその時の気温)の平方根に比例します。 〔V=331.45√T,331.45は空気0℃における音速〕したがって、大気の下層の気温が上層の気温より低い時(気温の逆転※)に、 音波の屈折が起こり、遠方の音がよく聞こえます。つまり上層に暖気がはいってきた時、即ち温暖前線が近づいてきた時に、 遠方の鐘の音などがよく聞こえるようになります。この場合、前線が近づいているのですから、当然天気はくずれ、 雨になることが予測できます。しかし、晴天無風の日の早朝などにも、この気温の逆転は起こります。 この場合は晴天となります。したがって、この諺は晴天無風の早朝を除けば、ほぼ全面的に利用できるものと言えます。 同様のものとして、『谷川の水音がよく聞こえると雨』というのもあります。 【※一般に気温は、対流圏内では高いところにいくほど下がります。地上気温を0℃とすると、最低は約-70℃まで下がります。】

◎その他  『積雪をふんでキュキュと音がすれば寒くなる』
      『山が近くに見えれば雨になる』

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