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大野地球科学研究会は化石やお天気または星が好きな仲間が造った同好会です。

SINCE:  2001年1月1日

UPDATE: 2016年10月8日


4−2 サ ン ゴ や 三 葉 虫 の 時 代

奥越地方では古生代に生きていたサンゴの化石が和泉村の上伊勢や白馬洞付近で発見されているので、この時代のことが断片的ながら分かっています。 古生代ですから2億5千万年〜5億8千万年以上も前のものです。

ではこのサンゴの化石について考えてみましょう。

サンゴは暖かい海に住む生き物です。この化石が和泉村で採れるということは、その昔このあたりは暖かい海だったのでしょうか。今から20年ほど前までは、世界中の学者が、そう考えていました。

ところが先程説明したプレートテクトニクス理論が登場してから、このような考えかたは間違いであることが分かってきました。

つまりこのサンゴは和泉村で生きていたのではなく、もともとは太平洋の南方の海にいたのです。

南方の海中で化石となったサンゴは、太平洋プレートが西に移動することによってユ−ラシアプレ−トにぶつかりました。ユ−ラシアプレ−トの縁にこすりつけられることにより 一部は地表に残り、残りの大部分は再び地球の内部に潜り込んでいったのです。

この結果、地表に残った地層に含まれていたサンゴの化石が偶然地表に顔を出し、私たちの目にとまるようになったのです。

下の地質図は、和泉村付近のものです。様々な地層があり、それらがいつどのように形成されたかわからないものもありますが、一目見てわかるのは、それらが東西に連なって 分布しているということです。これらは、何を意味するのかは明確にはわかりませんが、上記のような解釈ができることも確かです。みなさんで、想像をふくらませてみるのも 楽しいものです。(福井県地質図より抜粋)

太平洋からアジア大陸に向かうプレートの動きは、年間1cm〜10cmぐらいの速さです。しかしたとえ1cmでも1億年かかれば、1000qも移動してしまいます。このサンゴの 例からもわかるように、日本列島は太平洋のどこかでできた岩石が寄せ集まってできた部分もあるのです。

古生代の化石としては、サンゴの他にも様々なものがここ奥越では採集できますが、いずれも恐竜などよりもずっと古い時代のものですから、日本国内でもあまり採れません。

 海百合


 海百合


 貝の仲間

またサンゴの化石より更に古い時代の化石が、和泉村の白馬洞近くで見つかっています。発見されたのは三葉虫の化石で、古生代シルル紀のものですから4億2000万年位前のものです。 もともと、このあたりの地層は、デボン紀のものと考えられていたので、この化石の発見により、和泉村の地層の歴史が一挙に何千万年も古くなりました。

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