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大野地球科学研究会は化石やお天気または星が好きな仲間が造った同好会です。

SINCE:  2001年1月1日

UPDATE: 2016年10月8日


1−10 地 下 水 の 話

本題からは外れますが、名水百選にも選ばれている大野の地下水にふれておきたいと思います。

大野の地下水は大変おいしいのですが、一般に赤根川流域は赤い水で、あまり良くないと言われています。 これはどうしてなのでしょうか。

地下水は地層や岩石、そして河川の位置に深く関係しています。川床から地下にしみこんだ水が地下水の源になることが多いからです。

赤根川の上流に位置する飯降山は安山岩質の岩石が多く含まれています。 安山岩は風化すると、どろどろしてさびたような赤黒い色となる 性質があります。その砂は地下水と混じりやすく、一般に赤根川流域の地下水は飲料水にあまり適していないのです。

ただ、赤根川流域の地下水がすべて良くないのではありません。地下の水脈は非常に複雑ですから、汲み上げる場所が少し離れると水の性質が 大きく違うことがよくあります。

一方、九頭竜川・真名川・清滝川の上流の河原を見ると白っぽい岩石が目につきます。これらはすべて花崗岩質の岩石です。花崗岩は白っぽくて 粒が大きいため水はけが大変良いのです。

花崗岩質の岩石を源流とする水脈は飲料水に適していますし、庭にひくには花崗岩の小石が最適です。

ところで、大野有終会館の地下には清滝川の土砂、大野文化会館のある月美町の地下も清滝川の土砂が堆積しています。ただし、大野文化会館の 地下はもっと掘り下げてみると、こんどは真名川の土砂がでてきます。大昔は堤防などありませんから、大野盆地を流れる河川は洪水が 起きるたびに川筋を変えていたのでしょう。そのため大野の地下を掘り下げると、土砂が複雑に積み重なっていることが分かります。

一般には、清滝川、真名川、九頭竜川の順に上から下に重なっています。つまり最初10mぐらいは清滝川の土砂ですから清滝川の水、 50mぐらい掘ると、こんどは真名川の土砂ですから真名川の水が飲めるわけです。


九頭竜河原・勝原付近
勝原閃緑岩の白さが目立つ河原


九頭竜河原・坂谷付近
ここでも花崗岩系の白い石が目立つ

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