2−3 3000m級 の 高 山 だ っ た 城 山(じょうやま)
上庄には城山(じょうやま)と呼ばれる低い丘があります。
法恩寺林道から眺めても、実に小さな丘にすぎません。
地層を調べてみると、城山は花崗岩でできています。大野盆地は、そのほとんどが河川の堆積物でできていますし、近隣の山々は、安山岩でできていますので、
この小さな部分のみ花崗岩でできていることはどうも納得がいかない。
花崗岩というのは、元々地下深くでゆっくり冷えてできるものですから、城山の花崗岩は少なくとも2000万年前には、地下深くにあったと言うことは できるでしょう。ということは、このあたりに3000m級の山が存在したとしても、不思議ではないわけです。
上の写真は、砂山の露頭ですが、実は、同じような花崗岩の風化した地層が砂山にもでます。
花崗岩は石英・長石・雲母という造岩鉱物でできていますが、風化すると、もっとも量の多い長石が赤錆た色に変色します。そして、風化に強い石英の
結晶だけが残ります。ですから、赤っぽいどろどろした土の間に、石英の粒が宝石のようにキラキラ光っているという状態になります。大野市民であれば、
子供の頃に、こういう石英の粒を拾い集めに行ったという経験はあるのではないでしょうか。
城山も砂山も一連の大きな山の一部であったのか、別々の山々であつたのかはわかりませんが、大きく想像をふくらませることができる地層のありさまです。