2−2 神 の 宿 る 飯 降 山 も 一 皮 む け ば ・・・
大野盆地の西側には、飯降山に始まり美山町にかけて低い山がずっと続いていて越前中央山地と呼ばれています。
これらの山々は、約2000万年以上前にできたと考えられています。荒島岳と同じぐらいか、あるいはそれよりもっと古い山ということです。
越前中央山地の一つが飯降山です。
飯降山は、大野に住む人々にとっては、なじみのある山のみならず、宗教的にも深い意味のある山でした。
ごらんの通り、篠座神社の参道の延長上に、飯降山の頂上があります。
また、不思議なことに、春分や秋分の日の太陽は、ちょうどこの飯降山の山頂に沈むのです。詳しくは、故永見繁雄氏の書かれた「太陽軌道の 線上にある大野の神々」(奥越資料9号)を参考にしてください。
9月19日の日没 9月23日の日没
さて、こんなに意義深い飯降山ですが、地質的には、越前中央山地の中のごくありふれた山の一つにすぎません。
荒島岳の項でお話しましたが、火山がその姿をとどめるのは、せいぜい500万年程度です。ですから、越前中央山地ができた当初、
どんな形をしていたかというのは、残念ながら想像すらできません。