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大野地球科学研究会は化石やお天気または星が好きな仲間が造った同好会です。

SINCE:  2001年1月1日

UPDATE: 2016年10月8日


3−1 手 取 層 群 と は

この項では、恐竜が繁栄した時代から、絶滅した時代頃までのお話をします。今から1億4000万年から6500万年前の出来事です。

この時代は中生代とよばれ、日本のあたりはユ−ラシア大陸の東に位置する海でした。

その証拠となる化石の代表的なものが海に住んでいたアンモナイトです。 この他にも腕足類(貝類)・ベレムナイト(イカの先祖)・ ペンタクリニテス(ウミユリの一種)といった海の生き物の化石が和泉村でたくさん採れます。

しかし、やがてユ−ラシア大陸の奥地を源流とする何本もの大きな川から大量の土砂が押し流されてきたため海が浅くなり、ところどころに洲ができ始めました。

洲ができ始めるとしだいに海が閉ざされていきます。この時期の堆積物が後で述べる九頭竜亜層群です。

そのあと海水と川の水がせめぎあい混じり合う汽水の時代を経て湖が形成され、しだいに淡水ばかりになりました。また地層の隆起や水面の低下の結果、陸地ができ始めました。 この頃の沼や湖底に堆積したのが石徹白亜層群や赤岩亜層群です。

またこのころの気候は今よりはずっと暖かで雪などが降ることはなかったと考えられています。

湖から陸の時代に変わってくると、陸上で生活するいろいろな種類の植物や動物、そして恐竜たちも住むようになりました。湖であったことは、タニシ・カワニナ・シジミなど 淡水の沼や湖に住む生き物の化石で分かります。

亀やワニなどの動物化石とともに、シダ・ソテツなど草食恐竜が餌にしていたと思われる植物の化石がたくさん採れます。

またシダやソテツなどを食べる植物食恐竜、植物食恐竜を食べる肉食恐竜が生息していた証拠に和泉村・勝山市北谷・石川県白峰村などで恐竜の化石がぞくぞくと見つかっています。

これらの化石分布を調査した結果、岐阜県・富山県・福井県・石川県にかけて湖が点在し、それらの面積を合わせると琵琶湖の10倍ほどの大きさがあったのではないかと想像されています。 この湖を現在の手取湖と対比させて、古手取湖と呼んでいます。

古手取湖は一つの大きな湖ではなく、小さな湖がいくつも集まり、アジア大陸の奥地から大きな川が何本も流れる湖沼地帯、もしくは湿地帯だったと考えるのが現実的でしょう。

現在、古手取湖で堆積した地層は以下のように分布しています。赤い部分です。

もう一度まとめると、

九頭竜亜層群はジュラ紀末期の地層で海の時代。アンモナイトなど海に住んでいた生き物の化石は九頭竜亜層群から見つかります。

石徹白亜層群はジュラ紀末期から白亜期初期にかけての地層で汽水(海水と淡水が混じった状態)の時代の地層です。

赤岩亜層群は白亜期の地層で主に淡水の時代のものです。恐竜や貝類、シダの葉などの化石は石徹白亜層群、もしくは赤岩亜層群から見つかります。

ちなみに和泉村で見つかったティラノサウルス科の前歯の化石は石徹白亜層群の上部の泥岩層、勝山市北谷のドロマエオサウルス類や草食恐竜のイグアノドンの 化石は赤岩亜層群から見つかっています。

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